「アジア・ファースト」エルブリッジ・A・コルビー著 奥山真司訳

公開日: 更新日:

「アジア・ファースト」エルブリッジ・A・コルビー著 奥山真司訳

 アメリカの退潮と対照的に、世界の覇権を狙う姿勢を露骨に示す中国。本書は、前のトランプ政権下で国防戦略の立案に重要な役割を果たした戦略家が、その中国封じ込め戦略を解説した国際政治テキスト。

 中国に覇権を握らせないための戦略の要諦は、経済成長率の集積地であるアジアでの中国による地域覇権を拒否することだという。中国がアジアでの覇権を確立する際には一帯一路などの経済覇権だけでは不十分であり、必ず軍事的な侵攻と占領を仕掛けてくるはずと指摘。アメリカとそのアジアの同盟国は侵攻を不可能にするための軍備を積極的に拡大し、その結果として中国の意図をくじくことに集中すべきだというのだ。

 自らが提唱するこの「拒否戦略」を解説し、日本のとるべき戦略を説く。

(文藝春秋 990円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    「時代と寝た男」加納典明(19) 神話レベルの女性遍歴、「機関銃の弾のように女性が飛んできて抱きつかれた」

  2. 2

    梅宮アンナ「10日婚」短期間で"また"深い関係に…「だから騙される」父・辰夫さんが語っていた恋愛癖

  3. 3

    国分太一が無期限活動休止へ…理由は重大コンプラ違反か? TV各局に全番組降板申し入れ、株式会社TOKIO解雇も

  4. 4

    吉沢亮「国宝」が絶好調! “泥酔トラブル”も納得な唯一無二の熱演にやまぬ絶賛

  5. 5

    ドジャース佐々木朗希 球団内で「不純物認定」は時間の問題か...大谷の“献身投手復帰”で立場なし

  1. 6

    中学受験で慶応普通部に合格した「マドラス」御曹司・岩田剛典がパフォーマーの道に進むまで

  2. 7

    進次郎農相の化けの皮ズルズルはがれる…“コンバイン発言”で大炎上、これじゃあ7月参院選まで人気持たず

  3. 8

    砂川リチャード抱える巨人のジレンマ…“どうしても”の出血トレードが首絞める

  4. 9

    ドジャース佐々木朗希の離脱は「オオカミ少年」の自業自得…ロッテ時代から繰り返した悪癖のツケ

  5. 10

    「育成」頭打ちの巨人と若手台頭の日本ハムには彼我の差が…評論家・山崎裕之氏がバッサリ