「母は不幸しか語らない」信田さよ子著

公開日: 更新日:

「母は不幸しか語らない」信田さよ子著

 心理カウンセラーが、世の女性たちを苦しめる母娘問題にさまざまな視点から迫るエッセー。

 2008年、著者は「母との関係に苦しむ娘」をテーマにした著作を出版。以来、20代から80代に至る幅広い年齢層の「娘たち」のカウンセリングを行ってきた。その中核群は、08年当時40歳前後の娘たちと団塊世代の母親という組み合わせで、団塊世代の母親も自らの高齢の母親を介護する娘でもあった。

 本書では1970年代から著者が携わってきた臨床経験に基づき、母と娘を主題とする日本の言説の流れを4期に分類。多くのエピソードを交えながらも、娘の被害・母親の病理といった心理的問題に収めることなく、母・娘・孫の3世代を通して問題を俯瞰し、時代背景とともに分析する。 (朝日新聞出版 946円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大谷翔平は米国人から嫌われている?メディアに続き選手間投票でもMVP落選の謎解き

  2. 2

    大谷翔平の来春WBC「二刀流封印」に現実味…ドジャース首脳陣が危機感募らすワールドシリーズの深刻疲労

  3. 3

    前田健太は巨人入りが最有力か…古巣広島は早期撤退、「夫人の意向」と「本拠地の相性」がカギ

  4. 4

    新生阿部巨人は早くも道険し…「疑問残る」コーチ人事にOBが痛烈批判

  5. 5

    来春WBCは日本人メジャー選手壊滅危機…ダル出場絶望、大谷&山本は参加不透明で“スカスカ侍J”に現実味

  1. 6

    詞と曲の革命児が出会った岩崎宏美という奇跡の突然変異種

  2. 7

    高市政権にも「政治とカネ」大噴出…林総務相と城内経済財政相が“文春砲”被弾でもう立ち往生

  3. 8

    「もう野球やめたる!」…俺は高卒1年目の森野将彦に“泣かされた”

  4. 9

    連立与党の維新が迫られる“踏み絵”…企業・団体献金「規制強化」公明・国民案に立憲も協力

  5. 10

    新米売れず、ささやかれる年末の米価暴落…コメ卸最大手トップが異例言及の波紋