「チョコレートの歴史」ソフィー・D・コウほか著 樋口幸子訳
チョコレートは、その歴史の9割に相当する期間、実は飲み物だったという。起源にまでさかのぼり、その壮大な歴史をつづったテキスト。
チョコレートを最初に作りだしたのは、3000年ほど前にメキシコ南部の森林地帯に住んでいたオルメカ人といわれている。彼らが原料となるカカオを栽培していたことも分かっている。飲み物ならびに通貨として用いられてきたカカオ豆は、マヤ人に伝わり、征服者スペインの手でヨーロッパへと渡る。支配者や聖職者の飲み物だったチョコレートは、19世紀初頭になって固形化され、庶民へと広まっていった。
神への御供、香料、媚薬、滋養としてさまざまに愛されてきたその魅力を語りつくす。(河出書房新社 1300円+税)