「死を告げられた女」イングリッド・デジュール著、竹若理衣訳
フランス軍のエリート部隊に所属していたラースは、アフガニスタンから帰還後、ボディーガードとして働く。ある日、高名なジャーナリストのカティアから彼女の娘・ハイコの警護の依頼が舞い込む。ハイコは、イスラム国に洗脳され、シリアに向かう若者たちを引き留める活動をする団体を運営。ネット上に死刑を宣告するファトワーが発せられ、1週間前にパリの路上で銃殺されたナディアは、ハイコの長年の同志だったという。ラースは、危険を顧みず勝手な行動を繰り返すハイコに苛立ちながらも仲間らと任務を遂行。次第に2人の仲は縮まるが、やがてラースは彼女の活動にある疑問を抱き始める。
テロの恐怖におびえるパリを舞台に描く長編サスペンス。(早川書房 1100円+税)