「女鍼師竜尾 隠居右善江戸を走る4」喜安幸夫著
元同心の右善は、隠居後、女鍼師の竜尾に弟子入りし、見習い生活を送っている。ある日、竜尾の鍼灸療治処に出入りするかご屋の権三と助八が、品川宿の先の街道筋で殺しがあったと知らせに来る。
殺された男女は、療治処に近い神田鍛冶町の伊勢屋の娘・紗枝と男は番頭か手代らしい。以前、伊勢屋の主・源兵衛がぎっくり腰で療治処に通っていたことがあり、竜尾と右善は耳を疑う。右善に呼び出された息子の北町奉行所同心・善之助によると、ここ半年の間に同じような殺しが他に2件も起きているという。そんな中、右善は薩摩から敵討ちのために出てきた男の話を耳にして、ある疑念を抱く。
竜尾の過去が明らかになる時代シリーズ最新刊。
(二見書房 648円+税)