「焼肉大学」鄭大聲(チョン・デソン)著
焼き肉の歴史とその食文化の奥深さを紹介したテキスト。
焼き肉文化は、朝鮮の植民地支配によって20世紀に日本にもたらされた。朝鮮半島では、紀元前後から肉食文化があったが、6世紀半ば、半島全土が仏教の戒律に従って、殺生を禁止し、家畜の食用も禁じられた。13世紀に遊牧民の蒙古が半島を支配するようになると家畜の食用が復活。当時のエリートたちが食べていた料理はプルコギそのものだという。以後、儒教が国教になっても肉食がタブーになることはなく、さまざまな料理技術が発展した。
肉の各部位、キムチ、スープ、飯、麺など、それぞれのメニューの誕生の舞台裏からおいしい食べ方まで解説、一読で焼き肉がさらにおいしくなること間違いなし。
(筑摩書房 780円+税)