永田洋光
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永田洋光スポーツライター

出版社勤務を経てフリーになり、1988年度からラグビー記事を中心に執筆活動を続けて現在に至る。2007年「勝つことのみが善である 宿澤広朗全戦全勝の哲学」(ぴあ)でミズノスポーツライター賞優秀賞を受賞。近著に「明治大学ラグビー部、復活への軌跡」(洋泉社)などがある。

ベスト8をかけた大一番は難敵・スコットランドとの最終戦

公開日: 更新日:

 10月に入ると、いよいよ日本にとって命運をかけた戦いが始まる。まず5日にサモアとの対戦が待っている(豊田=午後7時30分キックオフ)。

 サモアとは前回大会でも対戦。周到な準備が功を奏して26―5と快勝した。しかし、前半を20―0と大きくリードしながら、身体能力の高い選手を揃えたサモアの攻撃力を警戒。後半も五郎丸歩のPGで慎重に3点ずつ刻み、4トライ以上挙げれば獲得できるボーナスポイントを取り損ねた。

 一見、消極的な戦い方のようだが、日本は後半24分にサモアに一気に走られてトライを奪われている。リスクを回避して正解だったのだ。

 今回は、サモアが協会の財政難から継続的な強化を積み上げられず、初めて日本有利の下馬評で対戦を迎える。しかも、直前の強化試合で主力の9番スコット・マロルアが負傷で離脱するなど、アクシデントに見舞われた。おまけに30日にはスコットランドとの対戦が予定され、日本戦までの間隔は中4日。状況的には日本が断然有利だ。

 しかし、そういう苦境に追い込まれたチームが一致団結して逆境を乗り越えた例が、W杯にはある。前回大会では、やはり負傷者続出の事態に見舞われたウェールズが、イングランドとの大一番を制して8強入りを果たした。4年に1度のW杯で勝ちたいという強い思いは、出場全チームに共通している。油断や慢心は許されないのだ。

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