「中国人の『財布の中身』」青樹明子著
今や3億人ともいわれる中国の中間層の金銭感覚を読み解くリポート。
日本製品が爆買いされるのは、質の良さだけが理由ではない。関税が高い中国で買うと、日本で1500円程度の洗顔料も2倍以上になってしまうから。さらに偽物も横行しているため、中国で買うのがためらわれるのだ。中国では銀行の支店の偽物まで登場したという。一方、収入の半分以上を住宅ローンとして払い続けている人も多い。なぜそこまでして住宅を買うのか。賃貸料の急騰も一因だが、男性超過社会で家を持っていないと結婚できないのだとか。
その他、中間層の収入と暮らしの内訳、消費を牽引する月光族と呼ばれる若者たちの存在など。謎に満ちた彼らの財布の中身をのぞき見る。(詩想社 920円+税)