「白洲次郎 一流の条件」牧山圭男監修
戦後、吉田茂外相の補佐としてGHQとの交渉に当たった白洲次郎は、ダメなやつにとっては「絶対に上司にしたくない男」だった。プリンシプル(原理・信条)を重んじ、「西洋人と付き合うには、すべての言動にプリンシプルがはっきりしていることは絶対に必要である」と言っていた。また、不要なことは語らない口が堅い人物だった。白洲がある会社の再建計画に動いていると嗅ぎつけた新聞記者が訪れたとき、白洲が「僕は何も知らんよ。知っていたとしても何もしゃべらんよ。僕はねえ、口が堅いからここまで生きてこられたんだ」と言って口をつぐむと、記者は「失礼しました」と頭を下げて帰った。
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