「遺伝子は、変えられる。」シャロン・モアレム著、中里京子訳

公開日:

 2013年、女優のアンジェリーナ・ジョリーが乳がんの発生率が高くなる遺伝子の変異があったとして、そのリスクを回避するために乳房を切除(その後、卵巣・卵管も)したというニュースは大きな話題となった。こうした遺伝子診断による予防は増えているようだが、遺伝子による疾患の実態やその治療方法となるとよく分からないという人がほとんどだろう。本書は現役の臨床医師にして科学者、そしてノンフィクションライターである著者が、専門分野である遺伝子研究の現状について詳しく述べたもの。

 両親から受け継いだ遺伝子は不変というのが常識かと思われているが、実はそれは大きな間違いだという。ある遺伝子が受け継がれても、その形質が表れるかどうかは人と場合によって違うし、遺伝子自体も常に改変されているのだと。野菜中心の食事に改善してがんになったシェフや、ごく普通の鎮痛剤によって命を落とした少女ら、特異な遺伝子疾患の例を豊富に引きながら遺伝子の実態を説明してくれる好著。(ダイヤモンド社 1800円+税)

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

最新のBOOKS記事

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    悪いのは告発女性? バナナ日村「淫行」同情論への違和感

  2. 2

    突然の引退劇…貴乃花親方“お涙頂戴会見”のウソ八百<上>

  3. 3

    安倍首相が怯える 近畿財務局“森友キーマン”証人尋問Xデー

  4. 4

    19歳ガングロで起業し注目「ギャル社長」藤田志穂さんは今

  5. 5

    台湾4割スラッガー王柏融めぐり 巨人vs阪神で争奪戦勃発

  6. 6

    高校68本塁打 早実野村プロ入り決意の裏にソフトB王会長

  7. 7

    大坂なおみが目指すWTAファイナル “超VIP待遇”の仰天全貌

  8. 8

    突然の引退劇…貴乃花親方“お涙頂戴会見”のウソ八百<下>

  9. 9

    「黄昏流星群」も フジドラマ放送前に打ち上げ続々のワケ

  10. 10

    “猫の目”打線にも順応 ソフトB中村は打順を選ばぬ仕事人

もっと見る