「定年待合室」江波戸哲夫著

公開日: 更新日:

 妻を失った大和田は、2年ぶりに訪ねた馴染みのスナックのママ・綾子から、元部下が苦境に陥っていると聞く。大和田は、がんを患う妻に寄り添うため百貨店を早期退職。順調に出世を重ねていた大和田だが、専務の逆鱗(げきりん)に触れ、出世コースから外されたのも早期退職の理由だった。今は外商部で働く元部下の松川によると、IT企業の創業者から会社の創立10周年パーティーの記念品の置き時計の注文を受けたが、急にキャンセルされてしまったという。理由も分からず、創業者と連絡も取り次いでもらえず、途方に暮れる松川は、かつてクレーム処理を担当していた大和田の助言で、創業者の屋敷に張り付く。(「クレームの迷路」)

 居場所を失った大和田と彼を助ける男たちの反転攻勢を描く経済小説。

 (潮出版社 880円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    立花孝志氏はパチプロ時代の正義感どこへ…兵庫県知事選を巡る公選法違反疑惑で“キワモノ”扱い

  2. 2

    タラレバ吉高の髪型人気で…“永野ヘア女子”急増の珍現象

  3. 3

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  4. 4

    中山美穂さんの死を悼む声続々…ワインをこよなく愛し培われた“酒人脈” 隣席パーティーに“飛び入り参加”も

  5. 5

    《#兵庫県恥ずかしい》斎藤元彦知事を巡り地方議員らが出しゃばり…本人不在の"暴走"に県民うんざり

  1. 6

    シーズン中“2度目の現役ドラフト”実施に現実味…トライアウトは形骸化し今年限りで廃止案

  2. 7

    兵庫県・斎藤元彦知事を待つ12.25百条委…「パー券押し売り」疑惑と「情報漏洩」問題でいよいよ窮地に

  3. 8

    陰で糸引く「黒幕」に佐々木朗希が壊される…育成段階でのメジャー挑戦が招く破滅的結末

  4. 9

    大量にスタッフ辞め…長渕剛「10万人富士山ライブ」の後始末

  5. 10

    立花孝志氏の立件あるか?兵庫県知事選での斎藤元彦氏応援は「公選法違反の恐れアリ」と総務相答弁