中国人犯罪者の口を割らせるには「ヒマワリの種」がいい
取調室と言えば「カツ丼」。日本の刑事ドラマでは鉄板ネタ。刑事が出前のカツ丼を注文し、容疑者に食べさせ、最後に容疑者が完落ち……そんな話はフィクションで、法改正の現在は取り調べの際に食べ物を出すことは禁止。現役のキャリア刑事に聞くと、食べ物を出すことは「自白を誘導する」という行為にあたるため、カツ丼どころか、おにぎりやパン、そして取調官がよく武器にしていた、たばこなどの嗜好品も禁止されているそうだ。
1990年代はそうではなかった。少なくとも中国人の容疑者を落とす時、ドラマや映画でいう定番の道具はバラエティーに富んでいた。私が担当していた数々の取り調べの現場では、中国人の容疑者たちと対峙して、時には厳しく問い詰めたり、時には容疑者のわがままを聞いてあげたりすることもあった。例えば、缶コーヒーなど冷たい飲み物が出された時に、温かい白湯を要求したりして。
南関東で広域事務所荒らしの中国東北出身の窃盗団一味がいた。深夜に国道1号沿いの事務所に侵入、バールなどの道具で金庫をこじ開けるという手荒な犯行を繰り返していた。警視庁と、神奈川、静岡、愛知などの県警で合同捜査本部を立ち上げ、窃盗団の逮捕に当たった。