90年代の出稼ぎブームと偽装結婚 ビザ延長前の調査では「中国人妻のホクロの位置」まで聞かれた
1990年代は改革開放政策が実施され、中国では第1次海外留学という名の“出稼ぎ”ブーム。日本はまだ金満国で、TOEFLなどのテストもなく、留学先で1番人気。ただ、中国より物価の高い日本で学費も生活費も稼ぐには、オイシイ仕事と保証人が必要。
女性は水商売など楽しくお金を稼げるのに、男性は3K労働で、仕事を2つ3つ掛け持ちしても女性より稼げず、犯罪に走るやからも徐々に現れた。
女性にはさらに一番手っ取り早い渡航手段がもうひとつ。「結婚」である。駐在員の日本人の男性と結ばれるのはまれで、大半は業者あっせんの偽装結婚。仲介業者も儲かるから雨後のたけのこのようだった。
相場は300万円、日中双方の業者に100万円ずつ、残りの100万円は相手男性のお見合い渡航費や婚姻手続き費用と相手男性への報酬。日本人男性は50万円くらいの報酬だった。
浮浪者が公園で話を持ちかけられ、銭湯に行き、髪を切り、手続きのために中国渡航するなんてこともあったが、お相手の日本人は初老のタクシー運転手が多かった。事業に失敗、妻子と別離などスネに傷のある人たちが多く、彼らにとっては50万円にお見合いという名の中国旅行付きはオイシイ。すでにバツがあるから、戸籍を汚そうと関係なく、こちらも離婚と結婚を繰り返した。