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西潟正人東京海洋大 非常勤講師

魚の伝道師。1953年、新潟生まれ。魚好きが高じて全国の海岸線を巡り、神奈川県逗子市で地魚料理店を20年間営む。2017年から東京海洋大で魚食文化論の非常勤講師を務める。

風そよぐ三浦半島 海辺散歩で「釣る」「食べる」「買う」

公開日: 更新日:

三崎

■宮川湾でアイゴがヒット。昼は名物ハバノリ定食で乾杯だ!

 これから梅雨入り前にかけては、海辺の散歩が最高に気持ちいい。関東にも茨城・大洗や千葉・勝浦など人気ベイエリアが点在する中、おすすめは神奈川の三浦半島だ。地魚が集まる鮮魚店や地元ならではの食材を提供する食堂など、魚好きをうならせる店があちこちにある。そこで、東京海洋大人気講師の西潟正人さんに案内してもらった。

 三浦半島の先端に位置する三崎へは、横浜横須賀道路(有料)を南下して三浦縦貫道を抜け、国道134号をさらに南下する。横浜から三崎までは、1時間30分ほどだろうか。

 朝の三崎港は素通りして、東側の丘を越えると東京湾だ。広大な三浦の畑の農道を曲がり下ると突然、宮川湾に出る。入り江にふさわしい小さな湾に人影はなく、都心から来るとあまりの静けさに感動する。1軒しかない「まるよし食堂」は開店前で、店先に干された三浦大根に朝日があたり、猫が1匹、日なたぼっこをしていた。

 湾の右側堤防を歩くと先が岩場になっていて、水深もありそうだから釣り糸を垂れてみる。釣れない釣りを楽しむ者は、動かない浮きを見つめているだけで癒やされる。

 そのとき、かかった! 竿先が弓なりになると、仲間が玉網を持って走る。賑やかに取り込んだ魚は20センチほどのアイゴだった。背ビレなどに毒トゲがあるため関東では嫌われるが、瀬戸内地方では人気のおいしい魚だ。トゲを切り取り、内臓も取り去ってから持ち帰るといい。アイゴは沖縄料理で定番のマース(塩)煮にすると、晩酌にたまらない肴になる。

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