ライバルは準備段階 フィギュア町田樹が初戦圧勝の“裏事情”
米シカゴで行われたフィギュアスケートGPシリーズ第1戦で町田樹(24)が優勝した。
24日のショートプログラム(SP)で首位に立ち、25日(日本時間26日)のフリーでも冒頭から4回転ジャンプを成功させるなど安定感抜群。最終的に269.09点で2位ブラウン(米国=234.17点)に30点以上の差をつける圧勝劇で自身GPシリーズ4勝目を挙げた。ソチ五輪金メダルの羽生結弦(19)に続き、町田も世界トップクラスに成長。18年の平昌五輪(韓国)に向けて期待が持てそうだが、「今季のGPシリーズに限っては結果に一喜一憂できない」とフィギュア関係者は慎重だ。
今季からフィギュアはルールが改正。歌詞(ボーカル)が入った曲の使用が解禁されたうえジャンプは「回転不足」が厳しくジャッジされることになった。これまでのルールでは大目に見られていたミスが即、大幅減点や無得点につながる。そこで、諸外国の有力選手の多くは新ルールに適応したプログラム、ジャンプを開発すべく、今季は準備段階と考えている。
「ジャッジの採点基準や他選手の動向をチェックするのに時間を使い、平昌五輪の2年前にあたる16年シーズン頃から難度の高いジャンプを取り入れたプログラムを作り、調子を上げてくるのが一般的。中にはわざとミスをして、どの程度の減点につながるかチェックするためにGPシリーズを使う選手もいます」(前出の関係者)
無論、町田もそれはわかっている。
「準備不足だったが、初戦でここまで出来たことは評価できる。ただ、後半のクオリティーが落ちてしまった」と優勝の喜びもそこそこに反省が口を突いた。