相次ぐトクリュウ被害対策で絶対必要な「裕福な地方家庭を質素に見せる」工夫…佐賀・唐津の金持ちに聞いた車選びと金の使い方
全国で金品を奪われる事件が相次いでいる。東京や名古屋、大阪などの都市部だけではなく、郊外の家が狙われるケースも珍しくない。その多くは、トクリュウと呼ばれる「匿名・流動型犯罪グループ」による犯行で、現場で犯行を行う実行役のほか、実行役を募るスカウト、そして指示役などに役割分担され、それぞれが匿名で流動的に犯行に及ぶ。
繁華街の宝石店が襲われるのも怖いが、もっと怖いのは郊外が狙われるケースだろう。最近のニュースを見ていて思い出したのが、今年5月に栃木県上三川町の会社役員宅が襲撃された事件だ。自宅に住む69歳の妻が殺害され、2人の息子が重傷を負ったのだが、そのニュース映像に映しだされたのは豪邸だった。広い敷地には、よく手入れされた庭木や大きな灯篭に池まであったことから、トクリュウの指示役は「1億円の資産がある」と目論んで実行役に指示を出したそうだ。ところが、財産は見当たらず、尊い命が奪われてしまった。
こんな残酷な事件が日常的に起こって考えさせられるのは、金持ちに見えることの恐怖だろう。それが地方だと、より強調されてとらえられかねないから深刻だ。その点で私の周りをみると、裕福な方でもそう見られないようにする生活防衛術が巧みであることに感じ入った。金持ちでも、周りから質素に見える生活の工夫を紹介しよう。
■子供がいる家庭の自家用車は国産ミニバンと軽自動車1台が定番
筆者は佐賀県唐津市在住で、自家用車は軽自動車が多い。子どもがいる一般家庭は、国産ミニバン+軽自動車1台といったところだ。もちろん、裕福な家庭は周囲にそれなりに存在する。地元の名士が入るロータリークラブや商工会の会合が行われるホテルへ行くと、驚くのは高級車の少なさだ。10台に1台といったところである。東京でこの手の会合があれば、10台中7台はそうなるのではないだろうか。
高級車といっても、大抵はトヨタのレクサス、アルファード、クラウンあるいはマツダのCR-Vで、外車はメルセデスベンツのCクラス。テスラやベンツのSクラス、フェラーリやマセラッティ、ポルシェ、アストンマーチンなどは、ない。どんなに金持ちでも、自宅駐車場には地味な国産車と軽自動車が家族構成に合わせた台数で置いてあることがほとんどで、子供が18歳になって免許を取得したら、プレゼントするのは1500ccの国産中古車だ。
質素に見せるための一番の工夫は、「高い車は買うな」である。
■地元では遊ばず、周辺自治体の繁華街へ。豪遊するときも身内だけ
外出する際のファッションも重要で、見た目も決して金持ちには見えない。知人の林業会社社長は、1億円の伐採機を購入したと私に語ったことがある。木は切った本数に応じて得られる収入が上がるそうで、彼はライバル社と比較して圧倒的に多数の木を刈る。だから1億円の機械を購入できたのだが、「これによって仕事がバンバン増えますわ!」と大喜びしていた。
その話を聞いたのは軽ワゴン車の助手席で、これこそ「社長車」なのである。後部座席と後方の収納スペースは作業器具や備品だらけだった。彼の格好は、もちろん作業着に長靴である。これだけ見ると、彼が超やり手の林業会社社長には見えないだろう。だが、実際は市内でも屈指の業績をたたき出していて、別の市のクラブで社員の慰労会を行っている。地元で豪遊している姿を見られたくないから、遠くへ行くのである。なお、社員にもかなりの額のボーナスを支払っている。

















