著者のコラム一覧
島田裕巳宗教学者、作家

1953年、東京都生まれ。東京大学文学部卒業。宗教学者、作家。現在、東京通信大学非常勤講師。「葬式は、要らない」「死に方の思想」「日本の新宗教」、「日本人にとって皇室とは何か」など著書多数。

旧宮家の養子に新たな「儀式」検討…その裏に「予算獲得」の思惑?

公開日: 更新日:

 これは明治以降のあり方で、それ以前は異なった。古代の律令制の時代には、曾孫までが親王・内親王であったが、中世になると、「親王宣下」を受けないと親王・内親王になれなかった。そこには、現在と異なり、側室制度などがあって、皇族の数が多すぎたからである。

 中世における内親王には多くの荘園が寄進され、財政的に極めて豊かだった。一方、親王宣下を受けて親王になると、皇位継承が見込めない人間は出家して「法親王」となり、比叡山や名門の門跡寺院のトップになった。
 
 その一方で、親王宣下を受けられない天皇の子供もいたわけで、男の王だと出家する場合もあったが、位は親王が出家した場合と比較して低かった。

 そうでなければ、「臣籍降下」して皇族の地位を離れなければならなかった。臣籍降下した時点で姓を与えられるが、それが「源氏」や「平氏」であった。彼らは公家となり、朝廷に仕えたが、なかには武装して武士になる人間も現れた。鎌倉幕府を開いた源頼朝などがその代表である。
 
 ただ、親王宣下を受けても、特別な儀式があったわけではない。宣下を受けた人間に対して、その位を授けるという天皇からの勅命書が届けられるだけだった。

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