著者のコラム一覧
島田裕巳宗教学者、作家

1953年、東京都生まれ。東京大学文学部卒業。宗教学者、作家。現在、東京通信大学非常勤講師。「葬式は、要らない」「死に方の思想」「日本の新宗教」、「日本人にとって皇室とは何か」など著書多数。

「不敬罪」復活への一歩なのか? 旧宮家への誹謗中傷対策で浮上した名誉毀損罪改正の危うさ

公開日: 更新日:

 改正された皇室典範は10月に施行される。それによって旧宮家から養子をとることが可能になるわけだが、自民党の保守系議員の間では、新たな動きが生まれている。

 対象になる旧宮家の人々に対して、すでにSNSで偽情報が流されたり、誹謗中傷がなされており、それを防ぐために、刑法にある名誉毀損罪の改正が必要だというのである。

 名誉毀損罪の場合、被害を受けた人間からの「告訴」がなければ、罪には問われない。ところが、皇族の場合には、一般の国民とは異なり、告訴ということができない。そこで、告訴がなくても罪に問えるように法律を改正しようというわけである。

 このことを報じた『毎日新聞』8月21日付の記事では、「不敬罪が復活? 皇室の保護巡り保守系議員に広がる動き」という見出しがつけられていた。

 「不敬罪」は、戦前にあった法律で、戦後、日本国憲法が成立した時点で廃止されている。不敬の対象となるのは、天皇や皇族、あるいは代々の天皇が葬られた皇稜、天皇家の祖神を祀る伊勢神宮である。そうした対象に対して不敬の行為があったと見なされると、容疑者は逮捕され、裁判にかけられたのだ。

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