どれほどの成果が? 安倍首相がバラマキ外交で払った26兆円
またも大盤振る舞いだ。安倍首相は先週23日、福島県いわき市で開催された「太平洋・島サミット」で、パラオなど南太平洋の島しょ国に今後3年間で550億円以上の財政支援を行うとブチ上げた。島サミットでこの支援額は過去最高だ。
首相は、「力による威嚇や力の行使とは無縁の太平洋市民社会の秩序」の構築を呼びかけ、名指しは避けたが、中国を牽制した。要するに、島しょ国が“中国寄り”にならないように、カネを渡して日本シンパにしようということだ。
しかし、いくらなんでも安倍首相の“札束外交”は常軌を逸している。ライバルの中国に負けたくないのだろうが、とにかくカネ、カネ、カネ。見境なく、外国にカネをばらまいている。
なんと、この2年半で、アフリカ支援に3兆円、バングラデシュ支援に6000億円と、ODAや円借款を積み上げると26兆円にのぼる。支援がすべてムダとは言わないが、いったい、どれほどの成果があったのか。元外交官の天木直人氏がこう言う。
「安倍政権の外交方針は、対米追従と中韓に対する対抗意識――。基本的にこの2つしかありません。本来、外交は複雑なものなのに非常に単純です。だから、手の内を読まれ、足元を見透かされている。外国にとっては、格好のカネづるになりかねない。そりゃ資金援助してもらえる国はニコニコして、表面上は安倍首相をチヤホヤしてくれるでしょう。でも、それだけのこと。支援が途切れたら、ソッポを向かれるのがオチです」