「ポツダム宣言読んでいない」安倍首相に憲法学者が怒りの声

公開日: 更新日:

 世界中がアングリしたに違いない。20日の党首討論で「ポツダム宣言を読んでいない」と言い放った安倍首相。ライフワークのように「憲法改正」を唱えながら、憲法学の大家である芦部信喜氏を知らないなど、これまでも政治家としての資質に「失格」の烙印が押される言動は多々あったが、今回ばかりは驚天動地の発言だ。

「私はまだ、つまびらかに読んでいない。論評は差し控えたい」

 共産党志位和夫委員長から「ポツダム宣言」の認識を問われ、こう答えた安倍首相。「つまびらかに」なんてモゴモゴ言っていたが、ゴマカシていたのは明らかだ。

「ポツダム宣言」は45年7月に米英中が大日本帝国に対して発した降伏勧告で、軍国主義を民主主義に改めるよう求めた。日本は8月15日にこの宣言を受諾。方針を具現化するために作られたのが日本国憲法だ。言葉や経緯は中高生でも知っている。

 そもそも安倍首相の持論は「戦後レジームからの脱却」だ。その戦後体制が始まったのが「ポツダム宣言」であり、「脱却」を主張するなら、「つまびらか」に知っているのは当然だろう。さらに言えば、終戦直前に当時の鈴木貫太郎首相は会見で「ポツダム宣言」について「黙殺して断固戦争完遂に邁進」と発言したため、米国が激怒。広島・長崎の原爆投下を決断するきっかけになったとも指摘されている。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

最新の政治・社会記事

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1
    山口達也さんの“再出発”に賛否…TOKIOを連想させる「社名」にドン引きするファンも

    山口達也さんの“再出発”に賛否…TOKIOを連想させる「社名」にドン引きするファンも

  2. 2
    Kōki,と工藤静香の“セレブ母娘”はどうする? 小松菜奈が「シャネルの顔」大抜擢の快挙

    Kōki,と工藤静香の“セレブ母娘”はどうする? 小松菜奈が「シャネルの顔」大抜擢の快挙

  3. 3
    長澤まさみ美脚を惜しげもなく披露 「シン・仮面ライダー」ショッカー怪人役で圧倒的存在感

    長澤まさみ美脚を惜しげもなく披露 「シン・仮面ライダー」ショッカー怪人役で圧倒的存在感

  4. 4
    武田鉄矢まさかのガーシー擁護…「金八先生」のイメージ完全崩壊で宮迫博之と同レベルに?

    武田鉄矢まさかのガーシー擁護…「金八先生」のイメージ完全崩壊で宮迫博之と同レベルに?

  5. 5
    大谷の鬼気迫る咆哮が浮足立つベンチのムードを変えた…メキシコ戦サヨナラ勝利の舞台裏

    大谷の鬼気迫る咆哮が浮足立つベンチのムードを変えた…メキシコ戦サヨナラ勝利の舞台裏

  1. 6
    「罠の戦争」大反響の最終回! 竜崎総理のまさかの展開に《モデルは安倍さんじゃん》とネット騒然

    「罠の戦争」大反響の最終回! 竜崎総理のまさかの展開に《モデルは安倍さんじゃん》とネット騒然

  2. 7
    篠田麻里子との不倫疑惑で訴えられた起業家の今…貝になって“静観”したやんごとなき事情

    篠田麻里子との不倫疑惑で訴えられた起業家の今…貝になって“静観”したやんごとなき事情

  3. 8
    中村倫也ロスで“独身最後の砦”松下洸平に注目集まり…ブレーク前夜に“匂わせ”投稿の噂

    中村倫也ロスで“独身最後の砦”松下洸平に注目集まり…ブレーク前夜に“匂わせ”投稿の噂

  4. 9
    メッツ千賀“ゴーストフォーク”ようやく解禁 ここまで封印させたベテラン指揮官の深謀遠慮

    メッツ千賀“ゴーストフォーク”ようやく解禁 ここまで封印させたベテラン指揮官の深謀遠慮

  5. 10
    一人暮らし20代女性宅クローゼットから直属上司が…発見までの一部始終と仰天の侵入回数

    一人暮らし20代女性宅クローゼットから直属上司が…発見までの一部始終と仰天の侵入回数