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石原藤樹「北品川藤クリニック」院長

信州大学医学部医学科大学院卒。同大学医学部老年内科(内分泌内科)助手を経て、心療内科、小児科研修を経て、1998年より「六号通り診療所」所長を務めた。日本プライマリ・ケア学会会員。日本医師会認定産業医・同認定スポーツ医。糖尿病協会療養指導医。

精子の健康状態は寿命に関係している!? 7.8万人のデータ解析

公開日: 更新日:

「不妊症」は女性の病気と思われがちですが、男性に原因がある場合も多く、男女ともに原因があるものを合わせると、半数近くは男性に原因があるという統計もあります。

 男性不妊の原因の多くは精子の異常です。精子の数やその形、運動能力などの働きに異常があると、それが不妊症の原因となるのです。これは精液の検査により確認することができます。ただし、検査のハードルは高く、多くの男性は不妊症外来以外では、検査はしないことが通常だと思います。

 しかし最近、健康のバロメーターとしての精液検査の意義が注目されているのです。もともと肥満糖尿病、高血圧などの病気では、精子の健康状態も悪くなるという報告が多くありました。その一方で精子の状態が悪いことが、慢性病につながりやすいのではないか、という意見もあります。それを裏付けるようなデータも発表されています。

 今年の生殖科学の専門誌に掲載された論文では、デンマークにおいて、7.8万人以上の男性の精液を検査した結果を解析しています。正常に運動している精子の数を指標として検証したところ、精子が正常である場合と比較して、その数や機能が低下していると、平均寿命がそれだけ短くなることが確認されました。

 精子の健康状態は、じつは体の健康全体を反映するような指標であるのかもしれないのです。

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