著者のコラム一覧
南渕明宏昭和医科大教授

心臓血管外科専門医、医学博士。

なぜ患者さんの職業を聞いちゃいけないの?

公開日: 更新日:

 ずうたいのでかい病院では、患者さんについて皆で集まって会議をしています。若い医師にプレゼンしてもらって、チームの中で病状や治療方針を確認し、共有しているのですが、最近の傾向で一つ気がついたことがあります。

「この患者さんの仕事はナニ?」

「さあ? 聞いていません」

 若い先生方は患者さんの職業が何なのか教えてくれないのです。というか、聞き取っていない、というか、関心がないようです。聞かなくてもいい、と教えられているのか、個人情報なので触れてはいけない、と教育されているのか。それとも「仕事なんてコロコロ変わるもんでしょ」ということなのでしょうか。

 ただし、患者さんの家族構成はしっかりと掌握されています。高齢者の場合、治療の方針を誰が決めるのか、配偶者なのか、息子、娘なのか、診療を進めるうえでものすごく大事な要素だからです。

 言うまでもないことだと思いますが、患者の職業は診療の上で大事な要素だと思います。病気になったら多くの人が「働きすぎのせいだ」「介護してきたせいだ」などと自分に言い聞かせるからです。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    梅野隆太郎は崖っぷち…阪神顧問・岡田彰布氏が指摘した「坂本誠志郎で捕手一本化」の裏側

  2. 2

    阪神に「ポスティングで戦力外」の好循環…藤浪晋太郎&青柳晃洋が他球団流出も波風立たず

  3. 3

    阪神・佐藤輝明が“文春砲”に本塁打返しの鋼メンタル!球団はピリピリも、本人たちはどこ吹く風

  4. 4

    自民両院議員懇談会で「石破おろし」が不発だったこれだけの理由…目立った空席、“主導側”は発言せず欠席者も

  5. 5

    広末涼子「実況見分」タイミングの謎…新東名事故から3カ月以上なのに警察がメディアに流した理由

  1. 6

    参政党のSNS炎上で注目「ジャンボタニシ」の被害拡大中…温暖化で生息域拡大、防除ノウハウない生産者に大打撃

  2. 7

    国保の有効期限切れが8月1日からいよいよスタート…マイナ大混乱を招いた河野太郎前デジタル相の大罪

  3. 8

    『ナイアガラ・ムーン』の音源を聴き、ライバルの細野晴臣は素直に脱帽した

  4. 9

    初当選から9カ月の自民党・森下千里議員は今…参政党さや氏で改めて注目を浴びる"女性タレント議員"

  5. 10

    “死球の恐怖”藤浪晋太郎のDeNA入りにセ5球団が戦々恐々…「打者にストレス。パに行ってほしかった」