著者のコラム一覧
シェリー めぐみジャーナリスト、ミレニアル・Z世代評論家

NY在住33年。のべ2,000人以上のアメリカの若者を取材。 彼らとの対話から得たフレッシュな情報と、長年のアメリカ生活で培った深いインサイトをもとに、変貌する米国社会を伝える。 専門分野はダイバーシティ&人種問題、米国政治、若者文化。 ラジオのレギュラー番組やテレビ出演、紙・ネット媒体への寄稿多数。 アメリカのダイバーシティ事情の講演を通じ、日本における課題についても発信している。 オフィシャルサイト:https://genz-nyc.com

「MAGA教皇」の誕生を熱望? フランシスコ教皇の死で米国では保守カトリックが台頭

公開日: 更新日:

 フランシスコ教皇が亡くなった。LGBTQや移民を擁護する立場を明らかにし、カトリックとしては非常に革新的だった教皇の死は、世界の宗教界のみならず政治にも激震をもたらしている。彼の不在により、カトリック保守勢力が突如台頭しているからだ。同時にアメリカのカトリック保守と、極右政治との強い結びつきも可視化されつつある。

 カトリック信者はアメリカ人のおよそ2割。ヨーロッパなど他の西欧諸国に比べ、保守派のパワーが強いのが特色だ。数としてはそうでもないが、政治と結びつき、クリスチャン・メディアが台頭する中で存在感を増している。その最大の功績は、プロテスタント福音派と共に、保守共和党が打ち出す中絶禁止(アメリカ12州で違法化)を実現したことだろう。性別は女と男だけ、気候変動は嘘などのトランプ政権の方針とも親和性が高い。その流れで、現政権の支持母体である極右のMAGA(Make America Great Again)派にもカトリックが多い。中でもよく知られているのはJ・D・バンス副大統領で、彼は教皇の死の直前のイースターに、最後に面談した各国首脳の一人となった。

最新の政治・社会記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    立花孝志容疑者を"担ぎ出した"とやり玉に…中田敦彦、ホリエモン、太田光のスタンスと逃げ腰に批判殺到

  2. 2

    阪神・佐藤輝明にライバル球団は戦々恐々…甲子園でのGG初受賞にこれだけの価値

  3. 3

    FNS歌謡祭“アイドルフェス化”の是非…FRUITS ZIPPER、CANDY TUNE登場も「特別感」はナゼなくなった?

  4. 4

    阪神異例人事「和田元監督がヘッド就任」の舞台裏…藤川監督はコーチ陣に不満を募らせていた

  5. 5

    新米売れず、ささやかれる年末の米価暴落…コメ卸最大手トップが異例言及の波紋

  1. 6

    兵庫県・斎藤元彦知事らを待ち受ける検察審の壁…嫌疑不十分で不起訴も「一件落着」にはまだ早い

  2. 7

    カズレーザーは埼玉県立熊谷高校、二階堂ふみは都立八潮高校からそれぞれ同志社と慶応に進学

  3. 8

    日本の刑事裁判では被告人の尊厳が守られていない

  4. 9

    1試合で「勝利」と「セーブ」を同時達成 プロ野球でたった1度きり、永遠に破られない怪記録

  5. 10

    加速する「黒字リストラ」…早期・希望退職6年ぶり高水準、人手不足でも関係なし