AIIBをバカにしている場合か 「ODA」日本も焦げ付き2兆円超

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 まるで子供の喧嘩だ。安倍首相が21日に行われた講演で、アジア向けのインフラ投融資について、今後5年間で約13兆円を投じることをブチ上げた。中国が主導して創設する「アジアインフラ投資銀行(AIIB)」への対抗心をむき出しにして、「『安かろう、悪かろう』はいらない」「安物買いの銭失い」とAIIBをコキおろした。

 安倍首相が焦る理由は、AIIBを巡って、対応が後手後手に回っているからだ。英、独、仏など欧州の主要国がこぞって創設メンバーとなるAIIBの存在感は増す一方。

 これまで日本が主導する「アジア開発銀行(ADB)」は、アジア諸国に対して高飛車な態度を取ってきたが、先月、融資の基準を“緩和”する計画が発覚したばかり。このままでは、AIIBに取って代わられると、手のひらを返すように「積極的に支援します」と訴えているのが現状だ。厳しい審査のもと、支援を拒否されてきたアジア各国からすれば、「何を今さら」という感覚だろう。元外交官の天木直人氏はこう言う。

「AIIBは中国が国を挙げてとりかかっている国策です。そんな国と同じ“土俵”で戦っても、勝てるわけがない。日本は“日本の原則”で戦うべきです。安倍首相は中国に喧嘩を売るだけで、何の解決策もない。このままでは、安倍首相のプライドは満たされるかもしれませんが、日本は自滅です」

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