「UNLOCK」木村一志著
高校卒業後、無計画に上京したためホームレス生活を体験することになった著者。その苦い経験から手に職をつけようと考えていたとき目についたのが、バイト先の寮の近くにあった「鍵屋」だった。
むかしテレビで見た錠前技師を思い出した著者は、貯金をつぎ込んで鍵屋の専門学校に入学。ゼロから錠前技師の技術を身につけ、次第に腕をあげていく。
開業当初は極貧で月収8万円がせいぜいだったが、高い技術と営業努力であっという間に年収3000万円に。警察関係者にも名が知られ、ベンチャー企業の家宅捜索、薬物常習犯の確保の現場でも活躍するようになる。
ときには解錠に行った先でカップルの痴話喧嘩に巻き込まれたり、SMクラブの客の手錠を外した経験など、現役錠前技師の仕事の裏側、波瀾万丈の生き方をつづった自伝。
(幻冬舎 1400円+税)