ノルディック複合・渡部 2大会連続銀で欧州企業が熱視線
悲願の金メダル取りはならなかった。
ノルディックスキー複合の渡部暁斗(29)が14日のノーマルヒル(NH)後半距離で2位に入り、2大会連続の銀メダルを獲得した。
前半の飛躍は105.5メートルを飛び、3位で後半の距離に臨んだ。首位と28秒差でスタートし、終始レースを引っ張ったが、最後の勝負どころである上りで、ソチ五輪金メダルのエリック・フレンツェル(29=ドイツ)にリードを許し2位でゴールした。
「キング・オブ・スキー」として表彰台の真ん中に立てなかった渡部は「メダルを取れてほっとしているのが半分と、自分が目指していたところにたどり着かなかったという悔しさが半分」と複雑な心境を吐露。ライバルに競り負けたことには「彼の方がスピードがあったので完敗かな」と脱帽である。
メダルの色はともかく、2大会連続の表彰台で、欧州での注目度はさらに高まりそうだ。W杯で欧州の強豪たちと互角以上に渡り合う渡部は、目の肥えた本場のファンから絶大な支持を得ている。どの大会でもスタンドから声援を受け、特にオーストリアやドイツでの注目度はフレンツェルらのトップ選手と肩を並べるほど。レース後のインタビューに流暢な英語で応じるなど、語学に堪能なことも、ファンに受け入れられている理由のひとつだ。