元プロ野球投手“げんちゃん”こと河野博文さん 高崎の居酒屋を閉めて、タマネギ農家に転身していた

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河野博文さん(元プロ野球投手/62歳)

 プロ野球はシーズンが終了し、選手の契約更改や引退が報じられる季節になった。引退後、新たな夢や目標を見つけられず苦労する選手は少なくない。日本ハム巨人で先発・中継ぎ投手として活躍し、“げんちゃん”の愛称で親しまれた河野博文さんは、群馬で有機タマネギ農家に転身して話題に。今どうしているのか。

  ◇  ◇  ◇

 河野さんと待ち合わせたのは、川崎市内のとある駅。

「2019年に群馬から東京へ拠点を移し、今は選手時代に建てた川崎の家に住んでいます。15年に高崎で開店した居酒屋が、場所が悪くてうまくいかず3年ほどで閉店したので、新たに東京でやろう、と思って。ところが、コロナになっちゃったでしょ。飲食店は厳しい、となって頓挫しちゃいました」

 河野さん、まずはこう言った。あれ、タマネギはどうしたの?

「やってますよ。5月半ばから7月末までの収穫の繁忙期には、様子を見に行っています。でも普段は、一緒に農業生産法人を立ち上げた知人に任せています。実際の作業は農家さんに委託し、卸先ももう決まっているので、任せて大丈夫なんです。この酷暑でもタマネギには悪影響はなく、今年も100トンほど収穫し、年商2000万円くらいになります」

 河野さん、余裕だなあ。では、今は何を?

「家のことですね。会社勤めの32歳の長女と2人暮らしなんで、自分がご飯作って弁当作って、掃除、洗濯……。29歳のときに結婚した5歳年下のかみさんは、15年前にがんで亡くなったから」

 38歳で現役を引退後、3年間、夫人の親戚が経営する建設会社の営業マンに。その後、野球塾で小学生らに指導をし、08年、独立リーグのチーム「群馬ダイヤモンドペガサス」の投手コーチに就任した。

「かみさんが抗がん剤治療を始めたところだったんですけど、背中を押してくれたんで。そのときから、家事をするようになりました。今はスマホで検索したらレシピがいくらでも出てくるから、料理は何でも作りますよ。肉じゃがとかカレーとか。自分が作った甘くてみずみずしいタマネギを使ったら、カレーはルーが辛口でも甘口になるんですよ(笑)」

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