著者のコラム一覧
小林佳樹金融ジャーナリスト

銀行・証券・保険業界などの金融界を40年近く取材するベテラン記者。政界・官界・民間企業のトライアングルを取材の基盤にしている。神出鬼没が身上で、親密な政治家からは「服部半蔵」と呼ばれている。本人はアカデミックな「マクロ経済」を論じたいのだが、周囲から期待されているのはディープな「裏話」であることに悩んで40年が経過してしまった。アナリスト崩れである。

三菱UFJの新首脳人事が大詰めも…発表時期をうかがう「2つの要素」

公開日: 更新日:

 三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)で今月中にも、来年4月からの新首脳人事を発表する見通しだ。MUFGの会長、社長、中核会社である三菱UFJ銀行の会長、頭取の、いわゆる「トップ4」のみならず、「グループの信託銀行、証券会社の首脳人事も同時に発表する準備を進めている」(三菱UFJ関係者)という。

 だが、その発表時期に呻吟しているという。悩ましい要素は2つある。まず1つ目は、支店の貸金庫から顧客の現金や貴金属を盗んだとして、貸金庫の管理を担当していた女性行員(店頭の業務責任者)を懲戒解雇した件だ。11月22日に発表されたが、元行員は2020年4月から24年10月の4年半にわたり、東京都の練馬支店(旧江古田支店を含む)、玉川支店の2支店で貸金庫を無断で開け、顧客の資産を繰り返し盗んでいたとされ、10月末に貸金庫を使っている顧客からの指摘によって発覚したという。盗まれた資産は顧客約60人分、被害総額は十数億円に上るとみられている。

 司法関係者によると、元行員の行為は「窃盗罪」が成立する可能性が高いという。また、元行員は被害者に対し民事上の損害賠償責任を負うが、被害金額を元行員が個人で賠償できるとは考えにくいことから、「三菱UFJ銀行が使用者責任に基づき損害賠償を行うことになる」(弁護士)とみられている。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    冷静になれば危うさばかり…高市バブルの化けの皮がもう剥がれてきた

  2. 2

    阪神の日本シリーズ敗退は藤川監督の“自滅”だった…自軍にまで「情報隠し」で選手負担激増の本末転倒

  3. 3

    大関取り安青錦の出世街道に立ちはだかる「体重のカベ」…幕内の平均体重より-10kg

  4. 4

    藤川阪神で加速する恐怖政治…2コーチの退団、異動は“ケンカ別れ”だった

  5. 5

    維新・藤田共同代表に自民党から「辞任圧力」…還流疑惑対応に加え“名刺さらし”で複雑化

  1. 6

    大谷翔平は米国人から嫌われている?メディアに続き選手間投票でもMVP落選の謎解き

  2. 7

    小野田紀美経済安保相の地元を週刊新潮が嗅ぎ回ったのは至極当然のこと

  3. 8

    前田健太は巨人入りが最有力か…古巣広島は早期撤退、「夫人の意向」と「本拠地の相性」がカギ

  4. 9

    「しんぶん赤旗」と橋下徹氏がタッグを組んだ“維新叩き”に自民党が喜ぶ構図

  5. 10

    歪んだ「NHK愛」を育んだ生い立ち…天下のNHKに就職→自慢のキャリア強制終了で逆恨み