「新国立競技場、何が問題か」槇文彦、大野秀敏編著
さらに、コンペの参加資格には国際的な建築賞の受賞経験がある者という項目があった。シドニーのオペラハウスなど、当時無名の建築家が造った20世紀建築の傑作が少なくないにもかかわらず、新施設には一部の建築家に特権を与えるかのような基準が設けられていた。一方で、景観を考えるために不可欠な敷地模型などの提出を求められないなど、非常に緩い要件もあったという。
建て替えの是非について、いま一度考えるきっかけとしたい。