「『雲』の楽しみ方」ギャヴィン・プレイター=ピニー著 桃井緑美子訳
ひとつとして同じものはなく、刻々と変化する「雲」の魅力に取りつかれた著者は「雲を愛でる会」を設立。世界各地の会員からホームページに寄せられた美しい雲の写真を紹介しながら、雲の魅力を語る科学読み物。
雲は積雲から巻層雲まで10種の雲形に分類され、それぞれ見た目の特徴によってまたさらに「種」「変種」へと分類される。基本の雲から、雲と名のつくもののなかで最高の美しさを誇るといわれる「真珠雲」などの変わり種まで、その特徴や発生の原理などを解説。裸の女を抱くゼウスを黒い積雲として描いた絵画や、地震の予兆といわれる雲の真偽など、興味深いエピソードもたっぷり紹介。読後は、空を見上げるのが癖になりそう。(河出書房新社 980円+税)