「デヴィッド・ボウイ-変幻するカルト・スター」 野中モモ著
昨年、新アルバム「★(ブラックスター)」発表直後、69歳でこの世を去った希代のスーパースターの評伝。
ロンドン郊外で育ったボウイは、17歳で自ら実業家に売り込みの手紙を書き、1964年にバンドでレコードデビュー。66年にソロに転向するがなかなかアルバムが売れず、69年「スペイス・オディティ」のヒットで、ようやくその名が知られるようになる。
ドラッグやセックスにまみれ、中性的な装いで退廃的な世界観を体現したボウイは翌年、「世界を売った男」を発表。そして72年には架空の異星人ロックスター「ジギー・スターダスト」のキャラクターに自らを重ね合わせ、世界を熱狂させる。
常に時代の最先端を走り、変幻していったその創造の旅を追う。(筑摩書房 840円+税)