「東芝 大裏面史」FACTA編集部著

公開日: 更新日:

 2006年、東芝は米国の原子炉メーカー、ウェスチングハウスを約54億ドルで買収した。ライバルの三菱重工と違って加圧水型炉の蒸気発生器の技術をもたない東芝が巨額の買収に踏み切ったのは、当時、経産省が原発輸出で国を繁栄させる〈原発ルネサンス〉という政策を取っていたからだ。

 だが、3.11の原発事故などで東芝は経営危機に陥った。それなのに上場廃止もしない背景には、日米原子力協定がある。この協定により、核拡散防止条約締結国である日本が非核兵器保有国であるのにプルトニウムを貯蔵できるのだが、来年はその協定の期限を迎える。

 東芝と経産省の癒着の実態に肉薄する一冊。(文藝春秋 1500円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人がもしFA3連敗ならクビが飛ぶのは誰? 赤っ恥かかされた山口オーナーと阿部監督の怒りの矛先

  2. 2

    大山悠輔が“巨人を蹴った”本当の理由…東京で新居探し説、阪神に抱くトラウマ、条件格差があっても残留のまさか

  3. 3

    悠仁さまの筑波大付属高での成績は? 進学塾に寄せられた情報を総合すると…

  4. 4

    大山悠輔に続き石川柊太にも逃げられ…巨人がFA市場で嫌われる「まさかの理由」をFA当事者が明かす

  5. 5

    織田裕二がフジテレビと決別の衝撃…「踊る大捜査線」続編に出演せず、柳葉敏郎が単独主演

  1. 6

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  2. 7

    ヤクルト村上宗隆と巨人岡本和真 メジャーはどちらを高く評価する? 識者、米スカウトが占う「リアルな数字」

  3. 8

    どうなる?「トリガー条項」…ガソリン補助金で6兆円も投じながら5000億円の税収減に難色の意味不明

  4. 9

    「天皇になられる方。誰かが注意しないと…」の声も出る悠仁さまの近況

  5. 10

    タイでマッサージ施術後の死亡者が相次ぐ…日本の整体やカイロプラクティック、リラクゼーションは大丈夫か?