「汝よさらば(二)」門田泰明著
天下無双の絵師として名高い宗次は、掛け軸の打ち合わせで大身旗本の屋敷を訪ねるために正装、帯刀する。その姿を見た長屋のチヨに侍だと見破られた宗次は、徳川家筆頭尾張藩の2代目藩主・光友が父親だという出自を打ち明ける。チヨの娘を連れて外出した宗次は、出先で刺客に襲われる。
同じころ、譜代田賀藩の中老・廣澤和之進は、紀州藩の飛び地松坂の地で打貫流小太刀指南、蒲生慎次郎高行に弟子入りし、宿敵の宗次を倒すべく修行に励む。後日、家光の甥・松平長七郎長頼を訪ねた宗次は、体調を崩している4代様(家綱)が宗次に会いたいと言っていると伝えられる。長七郎に促されるまま、その足で登城した宗次は、家綱の言葉に絶句する。
「浮世絵宗次日月抄」シリーズの新章第2弾。
(祥伝社 720円+税)