「てらこや 青義堂 師匠、走る」今村翔吾著

公開日: 更新日:

 日本橋南松川町に寺子屋「青義堂」を開いた坂入十蔵は小旗本の次男だ。公儀隠密を務める家で兄の片腕として仕事をしていたが、明和2(1765)年から寺子屋で子供たちを教えている。7年経った頃、寺子屋で学ぶ筆子の吉太郎らが伊勢神宮にお蔭参りに行くというので、十蔵も同行することに。

 ところが赤坂宿に着いたところへ、飼い犬の時丸が追ってきた。首に「お蔭参り」と書いた袋をくくりつけていたが、袋の縫い目を切ると密書が隠されていた。兄からの手紙で、敵対する忍びの一団「宵闇」が将軍暗殺を企て、坂入家を無力化するために十蔵の別れた妻を狙っているらしい。(第6章)

 元隠密と寺子屋の筆子たちが活躍する時代小説。

(小学館 1600円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    清原和博氏が巨人主催イベントに出演決定も…盟友・桑田真澄は球団と冷戦突入で「KK復活」は幻に

  2. 2

    安青錦の大関昇進めぐり「賛成」「反対」真っ二つ…苦手の横綱・大の里に善戦したと思いきや

  3. 3

    99年シーズン途中で極度の不振…典型的ゴマすりコーチとの闘争

  4. 4

    実は失言じゃなかった? 「おじいさんにトドメ」発言のtimelesz篠塚大輝に集まった意外な賛辞

  5. 5

    日銀を脅し、税調を仕切り…タガが外れた経済対策21兆円は「ただのバラマキ」

  1. 6

    巨人今オフ大補強の本命はソフトB有原航平 オーナー「先発、外野手、クリーンアップ打てる外野手」発言の裏で虎視眈々

  2. 7

    阿部巨人に大激震! 24歳の次世代正捕手候補がトレード直訴の波紋「若い時間がムダになっちゃう」と吐露

  3. 8

    林芳正総務相「政治とカネ」問題で狭まる包囲網…地方議員複数が名前出しコメントの大ダメージ

  4. 9

    国分太一が「世界くらべてみたら」の収録現場で見せていた“暴君ぶり”と“セクハラ発言”の闇

  5. 10

    角界が懸念する史上初の「大関ゼロ危機」…安青錦の昇進にはかえって追い風に?