「カラ売り屋、日本上陸」黒木亮著
カラ売り専業ファンド、パンゲア&カンパニーの北川靖、ジム・ホッジスと、提携先の「タイヤ・キッカー」のトニーは、最近、伸びている東堂グループに注目した。
東堂グループは医療に関する営利事業を行うメディカルサービス法人の東堂メディカルを持ち、病院買収を行っている。傘下には透析クリニックもある。人工透析患者は週に3回、人工透析が必要なので、安定した収益源なのだ。ところがグループの病院の産婦人科で、当直明けに女医が急死した。人員削減による過労死だった。東堂は「保険金を払えば、まあ遺族も文句は言うまい」と言い放ち、採算の悪い産婦人科の閉鎖を指示した。(「病院買収王」)
日本上陸したウォール街のカラ売り屋とさまざまな企業の闘いを描く。
(KADOKAWA 1800円+税)