「七転びなのに八起きできるわけ」浅暮三文著
人間は一回転ぶと一回起きる。七転びなら七起きで「八起き」は不可能だ。由来を調べると、地面を這っていた人類が二足歩行で立ち上がる時を「一起き」と数える、とか、何もしない時は座っているが、よし、やるぞという時、立ち上がるので一起き多い、などの説があるが、どうも変だ。
「棚からぼた餅」も解せない。ぼた餅を棚に置くという状況はあり得ないが、彼岸にぼた餅を神棚に供えるならあり得る。小皿に載せたぼた餅が落ちる物理的状況は、何かの拍子に神棚が傾くケースしかない。小皿が約60グラム、ぼた餅ひとつが9グラムと仮定すると、8度から15度の傾きで棚ぼた現象は起きる。
ことわざなどの矛盾を論理的に解明した一冊。
(柏書房 1870円)