「生殖記」朝井リョウ著

公開日: 更新日:

「生殖記」朝井リョウ著

 家電メーカー勤務の“オス個体”の達家尚成は、同僚の大輔と“2個体”で新宿の量販店を訪れた。尚成は自分で思い切った決断や判断をしなくても、大きな流れのようなものがすべてを収まるべきところに収めてくれると思っていて、大輔のように世話焼きで面倒見のいい個体を巧みに嗅ぎ分ける能力をもっている。

 この日も大輔と体組成計を見にきたのだが、買いにきたわけではなく、「日曜日」を消化するために来たのだ。めったなことがないかぎり命を脅かされることもないし、労働もしなくていい尚成に残っているのは、やたらと発達した知能と思考だけだ。

 女性の体を使わずに妊娠、出産ができる時代を舞台に、“拡大・発展・成長”を前提にした現代社会の価値観を揺さぶる。

(小学館 1870円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大苦戦「うたコン」がテレ東音楽祭と昭和歌謡に寄せて復活のノロシ! 矢沢永吉、井上陽水の名曲も次々と…

  2. 2

    『スマスロ ミリオンゴッド』導入から4カ月、目立つ空き台の裏でファンが期待するホールの対応

  3. 3

    巨人ベテラン坂本勇人の評価が爆上がり! 改めてクローズアップされそうな「打撃・守備以外の魅力」

  4. 4

    萩本欽一〈45〉斉藤清六を全国区にした誰も知らない裏話 “弟子入りNG”から評価を一転させたんです

  5. 5

    阪神・藤川監督「森下&佐藤輝依存」の無策露呈…極端な“外弁慶”で甲子園残り11試合が最大の鬼門に

  1. 6

    《芸能界ってなぜ『在日』を隠すの?》…中村ゆりさんがルーツを胸に「負けん気」を貫いた44年の生涯

  2. 7

    小池都知事肝いり「築地再開発」頓挫の予兆…松平定信の歴史的遺構と建築費高騰のWパンチ

  3. 8

    岸田元首相も“激怒”! 高市首相の内閣改造めぐる“パワハラ”アンケートに自民党内から非難轟々

  4. 9

    高市首相の内閣改造めぐる迷走と誤算…維新の「本命」外し“スネ傷”中司幹事長起用のウラ事情

  5. 10

    林芳正総務相は結局、留任か…高市首相が画策「内閣改造で総裁選ライバル潰し」に“白旗”