「ドストエフスキー黒い言葉」亀山郁夫著

公開日: 更新日:

 文豪の作品や書簡から、現代を生きる私たちにふさわしい言葉を抜き出し、解説してくれる文学案内。不吉なイメージがつきまとう黒はロシアにおいては「豊穣の証し」だという。

 最晩年こそ家庭的にも金銭的にも幸福の頂点にあったドストエフスキーだが、彼ほどリアルに金の問題に煩わされ続けたロシア人作家もいないという。「金とはいわば鋳造された自由である」(「死の家の記録」)、「貧は悪徳ならず、(中略)洗うがごとき赤貧となるとこれは犯罪なのです」(「罪と罰」)などの言葉を取り上げ、金や負債との闘争から生まれた作品の背景を解説。

 その他、サディズムやマゾヒズム、神の存在など。コレラ蔓延も体験し、もっとも根本的な部分における人間らしさを追求した文豪の言葉に現代を生きるヒントを学ぶ。

(集英社 1122円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    松重豊がついに引退を示唆し2代目探しに言及…「孤独のグルメ」井之頭五郎を継ぐ有力候補者の実名続々!

  2. 2

    “激ヤバ”高市チルドレン門寛子議員が大炎上! 国会前ペンライトデモを「ごっこ遊び」と揶揄・嘲笑

  3. 3

    “幼稚さ”露呈した佐々木朗希「報奨金事件」…ド軍日本人スタッフ2名が「7000万円超」もらえず?

  4. 4

    「考える野球」に混乱と苛立ちが続く中、涙が出そうになった野村監督の声かけ

  5. 5

    やはり万博EVバスは現場でも悪評ふんぷんの“いわく付き”だった…販売元が負債57億円で再生法申請

  1. 6

    NHKドラマ10「魯山人のかまど」は早くも名作の予感! 藤竜也は御年84歳、枯れてなお色香漂う名演技

  2. 7

    2度目の離婚に踏み切った吉川ひなの壮絶半生…最初の夫IZAMとは"ままごと婚"と揶揄され「宗教2世」も告白

  3. 8

    巨人・坂本勇人「二軍落ち」のXデー…代打もムリで「そのまま引退」にも現実味

  4. 9

    赤沢経産相“ナフサ不安”の呆れた責任逃れ シンナー不足「目詰まり」「解消済み」に塗装業界は不信感

  5. 10

    楽天は“格安”、12球団監督の年俸はこうして決まる…出来高、日米待遇格差まで丸っと解説