一定テンポ、フレーズ繰り返し…音楽で自律神経を整える
自律神経について、名前は知っているがよく分からないという人が多いのではないか? 「ライフラインの基本」と指摘するのは、自律神経研究の第一人者、順天堂大学医学部の小林弘幸教授。自身も実践している自律神経調整法を聞いた。
■自律神経の乱れが不調につながる
「自律神経は、心臓、腸、胃、血管などの臓器をコントロールする大切な神経。だから、自律神経が乱れると動悸、下痢、胃痛、疲労感、不眠などさまざまな不調が生じます」
病院で不調の原因が分からない時、「自律神経失調症」と診断されることがよくある。患者側からすると、正直、原因が分からないことを「自律神経失調症」という病名でごまかされているような不信感があるが、「あながち間違えていない。現代人は不規則な生活習慣によって、強弱の差はあれ、自律神経が乱れている人がほとんど」だという。
自律神経は、昼間など緊張状態で優位になる交感神経と、リラックス状態で優位になる副交感神経のバランスで成り立っている。心拍数や血圧は交感神経が優位の時に上がり、副交感神経が優位の時に下がる。これら2つの神経は、本来はシーソーのように交互に働くが、現代は前述のとおり、どちらか一方が優位な時間が長くなっている。特に、交感神経が優位になる時間が長い「頑張りすぎるタイプ」が圧倒的に多い。