(5)レビー小体型と診断…両親2人でどう暮らしていけるのか

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 2020年7月、母が、近くのクリニックでおそらくレビー小体型認知症だろうと診断された。プロのケアを受けようという私の提案を、世間体が悪い、恥だと言ってかたくなに拒む父と母を実家に置いて、私はいったん東京に帰るしかなかった。

 母の住む熊本県は、地域での認知症の早期診断と専門医院での治療をつなげる「熊本モデル」と呼ばれる体制を構築しているため速やかに専門医院につなげてもらうことができたが、初診を待つ患者も多く、母の順番はどれくらい先になるかわからないという。それまで父と母だけで暮らしていけるはずがない。そもそも母は食事も入浴もできない状態なのだ。

 どう対処すべきか考えあぐねながらも、毎日父に電話をして様子を尋ねることしかできなかった。東京に戻ってきて3日後の8月1日午前中。珍しく父のほうから電話がかかってきた。

「お母さんが倒れた。今、救急搬送されている。T叔母さんが一緒に救急車に乗っていった」

 自宅で仕事をしていた私は仰天した。認知症と診断され、見えないはずのものが見えると言いだしても、母には倒れるほどの深刻な体の症状はなかったはずだ。

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