著者のコラム一覧
荒川隆之薬剤師

長久堂野村病院診療支援部薬剤科科長、薬剤師。1975年、奈良県生まれ。福山大学大学院卒。広島県薬剤師会常務理事、広島県病院薬剤師会理事、日本病院薬剤師会中小病院委員会副委員長などを兼務。日本病院薬剤師会感染制御認定薬剤師、日本化学療法学会抗菌化学療法認定薬剤師といった感染症対策に関する専門資格を取得。

感染症が流行中も…不必要な抗菌薬は薬剤耐性菌の発生を助長する

公開日: 更新日:

 寒い季節となり、呼吸器の感染症が広がってきています。インフルエンザ、新型コロナ感染症に加え、今年はマイコプラズマ感染症も流行しています。

 一方では、多くの感染症に用いるペニシリン系やセフェム系などの抗菌薬(抗生物質)がかなり不足している状況です。医師も抗菌薬が必要ない患者さんに対しては処方をしませんし、薬剤師も入手可能な抗菌薬への変更を医師にお願いしたり、現場はかなり大変な状況が続いています。

 このような中、風邪で受診された際、患者側から抗菌薬を希望されるケースがあると聞きます。風邪は、ほとんどがライノウイルスなどのウイルス性疾患です。抗菌薬は、細菌に対しては効果があるのですが、ウイルスには効果がありません。ですので多くの場合、風邪には抗菌薬は不要です。

 インフルエンザや新型コロナ感染症もウイルス性疾患で、細菌が原因ではないため、抗ウイルス薬が処方されます。抗菌薬は必要時に医師が処方することもありますが、軽症の場合は処方されないケースがほとんどです。ちなみに、現在流行しているマイコプラズマ感染症には、ペニシリン系やセフェム系などの抗菌薬は無効です。マクロライド系抗菌薬が第1選択薬となります。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    佐々木朗希「スライダー頼み」に限界迫る…ドジャースが見込んだフォークと速球は使い物にならず

  2. 2

    永野芽郁「キャスター」視聴率2ケタ陥落危機、炎上はTBSへ飛び火…韓国人俳優も主演もとんだトバッチリ

  3. 3

    「たばこ吸ってもいいですか」…新規大会主催者・前澤友作氏に問い合わせて一喝された国内男子ツアーの時代錯誤

  4. 4

    風そよぐ三浦半島 海辺散歩で「釣る」「食べる」「買う」

  5. 5

    広島・大瀬良は仰天「教えていいって言ってない!」…巨人・戸郷との“球種交換”まさかの顛末

  1. 6

    広島新井監督を悩ます小園海斗のジレンマ…打撃がいいから外せない。でも守るところがない

  2. 7

    インドの高校生3人組が電気不要の冷蔵庫を発明! 世界的な環境賞受賞の快挙

  3. 8

    令和ロマンくるまは契約解除、ダウンタウンは配信開始…吉本興業の“二枚舌”に批判殺到

  4. 9

    “マジシャン”佐々木朗希がド軍ナインから見放される日…「自己チュー」再発には要注意

  5. 10

    永野芽郁「二股不倫」報道でも活動自粛&会見なし“強行突破”作戦の行方…カギを握るのは外資企業か