著者のコラム一覧
永田宏長浜バイオ大学元教授、医事評論家

筑波大理工学研究科修士課程修了。オリンパス光学工業、KDDI研究所、タケダライフサイエンスリサーチセンター客員研究員、鈴鹿医療科学大学医用工学部教授を歴任。オープンデータを利用して、医療介護政策の分析や、医療資源の分布等に関する研究、国民の消費動向からみた健康と疾病予防の解析などを行っている。「血液型 で分かるなりやすい病気なりにくい病気」など著書多数。

血液型に関係する病気(1)O型はがんや認知症になりにくい

公開日: 更新日:

 血液型(本稿ではABO式血液型を指す)が発見されたのは1901年のこと。以来、病気の関係を調べる研究が、欧米を中心に展開されてきました。現在では実に多くの病気のリスクが、血液型と関連していることが分かっています。

 たとえば「がん」です。とくに有名なのがすい臓がんで、B型のリスクはO型の1.5~1.8倍と報告されています。胃がん、卵巣がん、口腔がん、子宮がん、大腸がんなどでは、A型とAB型が、O型と比べて10~30%ほど罹患リスクが高いことが分かっています。一方、白血病や悪性リンパ腫は、O型のリスクが最も高く、A型が最も低くなっています。

 脳梗塞心筋梗塞、肺塞栓症などは、血管内でできた「血栓」が動脈や静脈を詰まらせることで生じる病気です。これらの病気のリスクも、血液型で異なっています。A型やAB型のリスクが最も高く、O型が最も低いことが多くの研究で示されています。

 血栓のできやすさは、血液の固まりやすさを反映しています。O型は血液凝固因子のうち「フォン・ヴィレブランド因子」と「第8因子」という2つの重要な因子が、他の血液型と比べて2~3割、人によっては4割も少ないことが、よく知られています。そのためO型の人は血栓ができにくいのですが、逆に大ケガをすると止血がうまくいかず、失血死する確率が高いことも分かっています。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    武田鉄矢「水戸黄門」が7年ぶり2時間SPで復活! 一行が目指すは輪島・金沢

  2. 2

    生田絵梨花は中学校まで文京区の公立で学び、東京音大付属に進学 高3で乃木坂46を一時活動休止の背景

  3. 3

    未成年の少女を複数回自宅に呼び出していたSKY-HIの「年内活動辞退」に疑問噴出…「1週間もない」と関係者批判

  4. 4

    2025年ドラマベスト3 「人生の時間」の使い方を問いかけるこの3作

  5. 5

    2025年は邦画の当たり年 主演クラスの俳優が「脇役」に回ることが映画界に活気を与えている

  1. 6

    真木よう子「第2子出産」祝福ムードに水を差す…中島裕翔「熱愛報道」の微妙すぎるタイミング

  2. 7

    M-1新王者「たくろう」がネタにした出身大学が注目度爆上がりのワケ…寛容でユーモラスな学長に著名な卒業生ズラリ

  3. 8

    松任谷由実が矢沢永吉に学んだ“桁違いの金持ち”哲学…「恋人がサンタクロース」発売前年の出来事

  4. 9

    高市政権の積極財政は「無責任な放漫財政」過去最大122兆円予算案も長期金利上昇で国債利払い爆増

  5. 10

    農水省「おこめ券」説明会のトンデモ全容 所管外の問い合わせに官僚疲弊、鈴木農相は逃げの一手