著者のコラム一覧
古谷彰子愛国学園短期大学准教授

早稲田大学大学院卒。早稲田大学時間栄養学研究所招聘研究員、愛国学園短期大学准教授、アスリートフードマイスター認定講師。「食べる時間を変えれば健康になる 時間栄養学入門」「時間栄養学が明らかにした『食べ方』の法則」(ともにディスカヴァー・トゥエンティワン)などがある。

【グラスフェッドバター】脂肪を減少させ動脈硬化を防ぎ骨を丈夫にする

公開日: 更新日:

 グラスフェッドバターは、牧草を主食として育てられた牛のミルクから作られるバターです。通常のバターは穀物飼料で育てられた牛から作られることが一般的ですが、牧草のみで育った牛のミルクには、より高い栄養価が含まれていることがわかっています。

 グラスフェッドバターの大きな特徴は、良質な脂肪酸を多く含む点。特にオメガ3脂肪酸と呼ばれる体の中で合成できない必須脂肪酸が豊富です。オメガ3脂肪酸は、血液の流れを良くし、心臓病のリスクを軽減することが科学的に示されています。また、炎症を抑える作用もあり、慢性的な病気の予防や体調管理に役立つとされる報告があります。

 さらに、グラスフェッドバターはそのエサの成分から「共役リノール酸(CLA)」と呼ばれる栄養素を多く含んでいます。動物実験にはなりますが、CLAが脂肪減少に顕著な効果を示すことが確認されています。また、一部のヒトを対象とした研究でも、一定量(3~6g/日)のCLAを摂取することで、体脂肪が減少する傾向が見られたという報告もあります。ただ、その真偽はまだ研究段階と言えるでしょう。

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