<第1回>緒方孝市監督が吐露した“追う側”のつらさ
「お前それ、冗談でやってんだろ?」
笑いながら言う緒方さんに私は、「どうやったらそんなに速く走れるんですか?」と尋ねました。すると緒方さんは、両腕を振って走る動きをしながら、「背中で走るんだよ」と、話していたことが印象に残っています。
■すべての打席をビデオチェック
09年に引退後、コーチを経て15年から監督になられた緒方さんは、現役時代同様、非常に研究熱心です。試合中、ストップウオッチ片手に采配する姿が印象的で、試合後も監督室にこもりきりで試合映像を見ながら、相手チームの分析をすることも珍しくありません。
これは解説者になってから聞いた話ですが、緒方さんは30歳前後から、試合後に当時スコアラーだった畝龍実さん(現投手兼分析コーチ)を訪ね、1打席目から最終打席まですべての打席をビデオでチェックし、翌日に備えたそうです。
就任2年目を迎えた今年、25年ぶりのリーグ優勝が目前に迫ってきました。2位の巨人との優勝争いを繰り広げる7月、「リメークドラマ」という単語が新聞紙上に躍りました。96年の広島は最大11・5ゲーム差を巨人にひっくり返され、優勝を逃しました。巨人はその再現もあるという見立てでした。選手として、その時に味わった悔しさと反省は、今も私の胸に刻み込まれています。


















