「最高殊勲夫人」源氏鶏太著
5年前、三原商事に入社し社長秘書となった野々宮家の長女・桃子は、当時、営業部長だった三原家の跡取り息子・一郎と結婚。桃子に代わって社長秘書になった妹の梨子も、一郎の弟・次郎と結婚する。その間、先代が急逝したため一郎は社長に就任。野々宮家の三女で21歳の杏子は、社長夫人になった桃子が、自分と三原家の三男・三郎を結婚させようと企んでいることに気づく。姉の思惑通りに結婚したくない杏子は、別の会社で働く三郎から勤務先の社長令嬢との結婚話が持ち上がっていると聞き安堵。つい見えを張って自分にも恋人がいると言ってしまう。2人は桃子の計画を阻止しようと口裏を合わせて行動するが……。
昭和34年に刊行された王道ラブコメディー。(筑摩書房 800円+税)