「わずか 一しずくの血」連城三紀彦著

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 夜、敬三の家に1年前に失踪した妻の三根子から電話がかかってくる。三根子は娘に10時のニュースに自分が出てくると告げたという。

 ニュースで群馬の山中で白骨化した左脚が見つかったと聞いた父娘は、それが三根子の脚だと直感する。見つかった足の指には三根子が普段そうしていたように、結婚指輪がはめられていたといい、指輪に刻まれたイニシャルも同じだった。同日、伊香保の温泉宿で仲居の藤代は、カップルの宿泊客に対応。カップルが使った風呂場を掃除しようとして、居合わせた男客は藤代に強烈な印象を残す。翌朝、男が先に旅立ち、女は部屋で死んでいた。遺体の顔は潰され、左脚が持ち去られていた。

 20年前の発表後、埋もれていた名作の単行本化。(文藝春秋 1600円+税)


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