超音波検査のメリットは臓器の動きや血流を動画でチェックできること

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 先週のX線検査に続いて今回は、超音波検査についてお話しします。飼い主さんも人間ドックなどで受けたことがあるでしょう。動物にもとても役立つ検査です。

 動物病院では、心臓の血液循環を確認するのが典型的な使い方だと思いますが、当院ではもっと広く使用しています。特に腹部のチェックです。超音波は静止画ではなく動画で診られるので、臓器や腸の状態把握と同時にそれぞれの動きも確認できるのが、一番のメリットで、X線との大きな違いです。

 たとえば腫瘍ができると、それを養う血管ができます。その血管の有無や血流の方向が分かり、その血流の強さが分かれば、増殖の度合いをある程度予測できるのは便利です。

 呼吸が荒く、聴診で心臓の雑音が確認されたら超音波で肺や心臓を調べます。心臓の弁の開閉や逆流なども確認できるのが一つ。また、肺水腫で肺に水がたまっていることが疑われたとき、超音波で貯留部位を特定。そこを標的に水を抜く治療ができるのです。

 心臓の診察では、動脈血と静脈血が色分けされて表示されるため、血液の貯留や流れを確認できるし、血流量の測定も可能。それによって心臓弁膜症や狭窄による逆流や拍出量のチェックになるため、症状の程度を認識できるのです。

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