助けを呼ぶ声を悪霊と間違われ…タイの古井戸に落ちた男性が奇跡的に助けられるまで

ああ、やっと声が届いた…（NPO「メーソート・ピタッカーン財団」のフェイスブックから）

　ミャンマーとの国境に近いタイ北部メーソートの森で、男性が古井戸に転落。3日後に奇跡的に救助され、話題になっている。

　無事に救助されたのは中国国籍のリウ・チュアンイーさん（22）。森を散策中、使われていない井戸に誤って落ちた。深さは約12メートル。転落の際に手首の骨折や脳振とうなどの重傷を負った。

　井戸は枯れて水がない状態。リウさんは当初、全力で助けを求める声を上げていたが、そのうち疲労で衰弱する危険に気がつき、1時間に1回だけ大声で助けを求めることにした。

　そして転落から3日後の11月24日夜、「森から奇妙な声が聞こえる」との通報を受けた警察官らが井戸を確認しリウさんを発見。約30分かけて救助した。写真は地元NPO「メーソート・ピタッカーン財団」がフェイスブックに投稿した救助のひとコマだ。

　飲まず食わずだったリウさんは極度の飢えと脱水状態だった。医師によると、リウさんが冷静に体力を温存したことが一命を取り留める決め手になったという。

　ところでリウさんが助けを求める声は森の近くの村人たちにも聞こえていたという。なぜ通報が遅れたのか？

　なんと村人たちはリウさんの叫び声を悪霊のものだと判断。「とりつかれるのではないか」との恐怖から、誰も井戸の中を確認しなかったというから驚きだ。