「墓守刑事の昔語り」本格ミステリ作家クラブ編
小学6年の淳は、超能力を持ち、「神様」を自称する同級生の鈴木にどうしても聞きたいことがあった。川合を殺した犯人の名前だ。2年前の2月、淳は川合から交際を申し込まれた。だが、直後に川合の親友の赤目からも交際を申し込まれ、からかわれていると知った淳は、バレンタインの日に川合に絶交を申し渡した。翌朝、神社の裏の池に浮かんでいる川合が見つかった。淳はショックを受けるとともに、その日から赤目のことを疑い続けてきた。しかし、鈴木の口から出てきたのは「依那古朝美」という聞いたこともない名前だった。1週間後、淳のクラスに依那古雄一という名の少年が転校してくる。(麻耶雄嵩著「バレンタイン昔語り」)
ミステリー作家11人が競演するアンソロジー。(講談社 1500円+税)