「がん検診を信じるな『早期発見・早期治療』のウソ」鳥集徹著
芸能人ががんになるたびに強調される「早期発見・早期治療」だが、それによって寿命が延びるという科学的根拠はないことを紹介した本。
昨年には、世界的権威のある医学論文雑誌に「がん検診を受けても寿命が延びる医学的根拠は一切ない」という論文が掲載されたという。それどころか、「がん検診」には過剰診療のリスクがつきまとい、米国では検診で見つかった乳がんの3分の1は過剰診断だとする医学論文すらあるという。がん検診はいまや一大産業であり、乳がんや前立腺がんの過剰診断の害に気づいている日本人医師も増えてはいるが、それを口にするには勇気がいる。彼らが言いづらい「がん検診」の真実を語っている。著者は、週刊文春の医療担当記者だ。(宝島社 740円+税)